種子はくるくる飛んでいる

エッセイを書きます。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

海の底から少し離れただけ

大抵のことは永遠より短いのである。 ただそれを言葉にするのが野暮なだけだ。 昔のことを思い出す。 あの時のあれはなんだったんだろう。 深い意味はなかったのかもしれないけど。 海の底にいた時には真剣だったけれど、 海の外に出てくればなんてことはな…

うーん。

なんにもできないなあ、私。とか思いながらそれなりにやっていくしかないのである。 わかっちゃいるけどぐだぐだと、そりゃ側から見たらイライラするだろうなあ。 動き出すには反動が必要で、せーのでえい、の前段階。 時が来れば動くよ、自分でもわかる、い…

向かい合ったなら

「君は美しい」と「世界は美しい」が同義になるような そういう瞬間がある それが世界から異質であればあるほどきっとそのイコールは強くなっていく 世界から異質なものは、きっとその中に世界が内包されている バニラの香りの蝋燭が暑さで溶けて部屋が甘い…

打ち上げられた思い出

私にとって海といえば、高校の近くから見える海だ。 私の通っていた高校は人工島の上にある。 タンカーやコンテナ船が割拠する港に囲まれた島から見える海は 青というより暗い深い緑が強く、とても泳げるような場所ではない。 それでも、私はあの海が好きだ…

憧れとキラキラ

何かに憧れているひとは、可愛い。 憧れを隠さず夢中で語るひとはキラキラしている。 憧れだけだったとしても、隠さず語れるってだけで強い。 夢がないというよりは、微かな憧れを夢として語る勇気がないことの方が多いのかも。 口に出して表明するのはなん…

反芻するバッファロー

ゴールデンウィークの真っ只中に生まれたので、学校で誰かに祝われるだろうかとドキドキするような経験がない。 そもそもあまり積極的に誕生日をアピールする方でもないから、平日でも変わりはなかった気がするけど。 オードリー・ヘップバーンと同じ誕生日…

アウトプット

話の設定やあらすじばかりが浮かんできて、それが頭の中で完璧なものになってしまうことがある。 もう自分の頭の中で理想の完成形になっていて、アウトプットする必要を感じなくなってしまうのだ。 最初は「こんな話が読みたい」と思っていたのに、脳内でス…

大雑把なダンスを

お菓子を作るのは好きだ。この時期になると色んな店で手作りお菓子のキットが販売されていて、なるほどそういうのもあるのか、と見ているだけで楽しい。ただ、手作りお菓子をあげるような特定の相手も居ないし、友達や知り合いにあまりやたらに手作りの食べ…

移り変わる

私は大変疲れやすい人間だと思う。 というより、疲れになかなか気付かない割に体力はさっぱりないので、気が付くともう手遅れなくらい疲れているのだ。 疲れを自覚した頃にはすっかり疲れきっているのでもう寝るしかない。 そして一度眠りだすと起きない。普…

空と回転

PONKOTSU-BARON project 第2弾 『回転する夜』 を観劇してきた。 海沿いの田舎町に住む引きこもりの青年と兄夫婦、幼馴染たちの話。 後悔している出来事を夢の中で何度も何度も回転し、繰り返して、真実を知る。 話の中で明らかになること以外にもかなり考…

バスに乗る

夜行バスに乗る時にはいつも思い出す曲がある。 「長距離バスの窓の外にどこまでも君が手を振る」 秋元康の歌詞にはバスがよく出てくる、という話があったが、野猿の時からそうだった。大抵少し寂しくて切ない、別れの曲である。 ただ、窓の外にどこまでも君…

テイクオフ

「勉強をすれば選択肢が広がる」と教師に言われた記憶はあるが、広がった選択肢からどうやってひとつ選択すべきか、ということをちゃんと教わった記憶はない。 勉強にさほど真面目でもなかったけれど、色々なことを知るのは好きだ。 なんとなく広がっていく…