海の底から少し離れただけ
大抵のことは永遠より短いのである。
ただそれを言葉にするのが野暮なだけだ。
昔のことを思い出す。
あの時のあれはなんだったんだろう。
深い意味はなかったのかもしれないけど。
海の底にいた時には真剣だったけれど、
海の外に出てくればなんてことはなかったな、なんて
外に出たから思えることだ。
所詮他人事になってしまっているから言えるだけ。
それでもやっぱり、滑稽に思えてしまうのが申し訳なくて、
横目で見ながらスルー。ごめんなさい。
今の私には、あなたの望む言葉は渡せません。
海の底から抜け出したつもりでいて、
きっと私は今もまだ別の海にいるんだろう。
動くネクトンにも沈むベントスにもなれない、
中途半端なプランクトンだから、今日も流されてふやふや。
いつかは浮き出てニューストン?
それは幸せなのだろうか。どうだろう。
海の底で息をするほど息苦しくはないけれど、
まだまだ息継ぎは苦手なので、
優しい嘘は欲しいかも。
お礼に私も優しい嘘をあげよう、多分。
泳げない魚/野猿 feat.CA
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